従業員の採用に関する法改正のポイント

従業員の採用に関する法改正のポイント

従業員の採用は、企業にとって安定経営やさらなる成長に不可欠であり、重要な業務の1つです。

採用活動には求人情報の掲載や求人応募者の個人情報の取得といった過程が含まれますが、これらの点についてどのような法規制が敷かれているかご存知でしょうか。

今回は、従業員の採用に関して、2022年10月1日より施行される「改正職業安定法」の改正ポイントを紹介いたします。

求人等に関する企業情報の的確な表示が義務付けられます

まず、求人企業に対して、求人情報や自社に関する情報の的確な表示が義務付けられます。

規制対象は、新聞および雑誌その他の刊行物に掲載する広告、ウェブサイト、電子メール、アプリ、テレビおよびラジオ等の放送など、あらゆる媒体に掲出する情報が幅広く含まれます。この対象となる情報について「的確な表示」を行う必要があり、具体的には次の事項が求められます。

● 虚偽の表示、誤解を生じさせる表示をしないこと
< 虚偽の表示に該当する例 >
・「正社員」の求人と強調しながら、実際には「アルバイト・パート」募集をする場合
・基本給○○万円と表示しながら、実際にはその金額より低額の賃金を予定している場合

< 誤解を生じさせる表示に該当する例 >
・グループ会社の優れた実績を大きく記載し、自社の実績であるかのように表示する場合
・請負契約であることを明示せず、労働者の募集と同じ表示をする場合

● 求人情報を正確かつ最新の内容に保つため措置を講ずること
・募集の終了または内容変更を行った際は、速やかに情報の更新を行うこと
・いつの時点の求人情報であるかを明らかにすること

個人情報の取り扱いに関するルールが変わります

また、求人応募者の個人情報を収集する際には、使用目的を明示することが求められます。応募に際しては個人情報の提供を求めることになりますが、その際に当該情報の使用目的を明示しなければなりません。

表示例
・面接の日程に関する連絡に使用します
・当社の募集ポストに関するメールマガジンを配信するために使用します

採用活動においてこれらの法令を遵守することは、経営姿勢の誠実さを伝え、応募者に安心感を与え、無用なトラブル回避にもつながります。自社の魅力
を最大限に伝えるためにも、適切な求人掲載に努めましょう。